懐かしの花月園運転会

今から20年以上前の話になります。ちょうどインターネットが普及して、いろんな情報もメーリングリストで情報発信が盛んになっていた頃でした。鉄道趣味もインターネットを通して趣味が同じ人たちがオフ会と題してミーティングイベントを開催していた頃になります。そして、1998年春にとある発起人さんのお声掛けがあり、静岡県伊豆の修善寺にある鉄道模型の宿「花月園」に行きました。初代の幹事さんは兵庫県三田市におられたKさんでした。自分もその頃は若くて仕事もバリバリしていた現役の頃でした。

初回の運転会には、やはり地元の交流電気機関車EF70と客車列車編成を大きなバッグに詰め込んで持って行ったのを覚えています。午後3時頃に現地に到着して、それぞれ持参した車両をシーナリィ付きの素晴らしい大きなレイアウトで走らせました。毎回20人くらいが集って趣味の話題で1泊2日の趣味時間を堪能していました。その当時は運転会場で美味しい夕食が食べられました。女中さんも線路を跨いで料理を運んでくれていました。レイアウトの中で食べる宿の夕食は正に最高でした。その時間帯に1人1人の自己紹介があったのを覚えています。

当時、貨物列車を走らせることもブームになっていて、皆F〇〇とハンドルネームを持っており、自分は「F70」という称号を頂きました。70とはEF70からとったものです。夕食の後も夜10時頃まで運転を楽しみ、部屋の灯りを消しての夜行運転を楽しむ「ナイトラン」というイベントもありました。模型部品即売会等もあり各人が提供した部品を格安で入手できたものでした。修善寺の名湯よりも鉄道模型の運転が楽しみなお宿でした。翌日は日の出から運転することができ、5時くらいから運転しておられる方もいました。1998年当時は、朝食も運転会場でいただくことができました。「鯵のフライ」がとても美味しかったのを覚えています。そしてお昼前にはそれぞれ解散となっていました。参加者の中には後泊と題してもう1泊される方もおられました。夕食と朝食の提供は、残念ながらその後お宿の都合で無くなってしまいました。

自分は2日目にはよく東京に出て行き、鉄道模型友人と会って一緒に模型店を巡ったりしてから夜に新幹線で帰ることが多くなりました。この花月園運転会は毎年春と秋に開催されていましたが、私は毎年仕事の都合で秋は忙しかったので、春だけ参加していました。アナウンスがあれば毎年参加して楽しませてもらっていました。しかしながらコロナ禍を契機に開催が無くなってしまい、宿の運営形態も変わり、残念ながら現在では「花月園」は昼間だけのレンタルレイアウトとして営業されています。年に1度の花月園運転会は自分にとっては1年分の元気を頂いた至福の運転会でした。

上の画像は花月園にあるNゲージのレイアウトになります。たいへん大きなレイアウトでシーナリィも見事でした。運転会に参加された方の中では、Nゲージもなさっている方もおられて、このレイアウトで運転されていました。

上の画像はこの運転会に向けて、カツミ製の581系を改造して419系に仕立てた車両になります。当ブログの「食パン電車」の記事でも紹介していますが、この会には581系583系に大変詳しいモデラーさんのSさんがおられ、ご自身でも419系電車の本を出しておられました。その方の影響もあって改造してみた訳です。この運転会ではその方が紙で作られた583系電車や国鉄時代の赤い419系電車も紙で作られた模型を持ってこられていました。

上の画像はSさんの作られた赤い419系を自分の419系の先頭に繋いでみたものになります。自分の419系とは違って実物に忠実に製作され、細部までしっかりと作り込まれていました。

上の画像はそのSさんがペーパーで製作された583系電車のフル編成になります。とても紙製とは思えない真鍮完成品レベルの模型でした。Sさんはよく鉄道模型雑誌にも製作記事を掲載されておられるベテランモデラーさんです。

上の画像は花月園のレイアウトの機関区に佇む、自分の419系電車になります。レイアウトにはこの機関区をはじめ、三島駅をモチーフとした駅、トンネルに鉄橋、飯田線をイメージした路線に貨物線、そして長編成列車が何編成も留置できる大きなヤードといろいろと楽しめる夢のレイアウトでした。私が去年1年がかりで製作した自宅レイアウトも、この花月園に憧れて製作したといっても過言ではありません。

上の画像は1998年の春の運転会に持って行った天賞堂製のD51形蒸気機関車戦時タイプになります。この年の1月から3月にかけて単身赴任で神奈川県の久里浜に短期研修に行っていました。その時期に東京銀座の天賞堂本店で現金で買った思い出の模型です。大変高価な模型でしたが、思い切って入手してしまいました。自分が小学5年生の頃に亡き父親に連れて行ってもらった草津線のD51がこのタイプだったので思い切ったのだと思います。電気機関車ばかりの機関区にそっと置かせて撮影させてもらいました。

上の画像は機関区にびっしりと並べられた参加者の機関車になります。持ってきた機関車はとりあえずこの機関区に置くことがルーティーンになっていました。実に様々な機関車が並んでおり持ってきたメンバーの機関車に纏わる話を聞くのも楽しかったです。この「花月園運転会」には1998年の春より毎年参加し、最後の参加は2016年6月4日~5日でした。今後も「レンタルレイアウト花月園」として、末永く鉄道模型ファンを楽しませて頂きたいと思っています。今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

☆花月園の玄関。2022年6月1より完全予約制レンタルレイアウトになっています。